『初めて見るのになんだか懐かしい』
旅先でそんな佇まいのお店を見つけたとき、そこへ飛び込むのは難しい。駐車場はほぼ満車。十分な広さがあるのに第二駐車場の案内まであったりする。きっとここは地元で有名なお店なんだろうな、と思いながらも、飛び込めない。
しかし!地元民が一緒なら、話は別。
こちら「かつ美食堂」は、熊本市街から少し離れた場所にあり、観光で訪れただけでは立ち寄ることはないだろう。また、出されているお料理もとてもメジャーな熊本名物というわけではないから、「熊本 名物」で検索しても出会えない可能性が高い。だが、この店は知る人ぞ知る地元の名店で、「熊本に用事があるときは必ず寄ります」などの口コミにあるように九州ではたくさんのファンを抱えている。
名物のホルモン煮込み。定食でいただきました。
店の佇まい同様、初めて食べるのに、なんだか懐かしいような…。「学生時代よく食ったな~」というセリフがぴったりの美味しさ(初なのに)。ホルモンがたっぷりはいってボリューム満点。ご飯もどんどん進む。
元気なおばちゃんの声。
作業着に身を包んだ会社員。
スーツを着た紳士とスーツを着た若い女性。
カウンターで背中を丸めて大盛ご飯をかき込む男性。
少し茶色くなった壁に貼り付けられた手書きのメニュー。
ホルモンを煮込む醤油の香り。
旅から戻って、なんでもない日常。ふと食べたくなる、遠い故郷の味。