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フォアグラのテリーヌ

※2017年8月4日 レシピ分量表記変更しました。

家庭で作るイメージはありませんが、実は作業自体はそんなに難しくありません。必要なのは手間と時間。フォアグラもインターネットなどで手に入りやすくなりました。もし機会がありましたらぜひチャレンジしてみてください。

フォアグラは1㎏あたりハンガリー産のもので約5000~7000円。フランス産のもので10000円~14000円ほどする高価な食材です。塊で買うと、かなり量があり、また一回にたくさん食べられる食材ではないので、大人数で集まるパーティーなどイベントに合わせて購入しています。フランス産は高級で手が届かないので…主にハンガリー産を使っています。ですが~~鳥インフルの影響で、現在(2017年6月)はヨーロッパからの輸入が滞っているとのこと…。最近はアメリカ産などが主流だとか。

調理前だと冷凍保存でも味が悪くなりにくいので、お買い得な時に買っておくこともあります。丸ごと1個はちょっと…という場合は、カットされた少量のポーションでもテリーヌは作れます。丸ごと1個テリーヌにすると10人前以上になります。調理後の賞味期限は冷蔵で4日ほどしかないので用途に合わせて作る量を調整してください。半分テリーヌにして残り半分はソテーにするという使い方もできます。

※こちらのお料理は、仕込みを含め、最低3日かかります。

~必要な調理器具~

・テリーヌ型
(もしくはそれに準ずる分量にあった型。どちらもなければ、サランラップで包む方法もあります。)
重石
・フォアグラの分量×30%

・氷

~材料~

・フォアグラ 1kgあたり
・調味料
塩/フォアグラの分量×1.1~1.3%g
砂糖/フォアグラの分量×0.3%g
ポルト酒/30cc
マデラ酒/30cc
ブランデー(またはコニャック)/30cc

・お好みで
ローリエなどのハーブ

・マデラソース(マデラ酒、グラス・ド・ヴィアン、ハチミツ、塩)

※グラス・ド・ヴィヤンとは?
(ヴィアンド、ともいいます。)
フランス料理の要、野菜や牛の骨でとた出汁「フォン・ド・ヴォー」を煮詰めたもの。濃縮出汁です。家庭でつくるのはとっても大変なので、私は市販のものを使っています。

~下準備~

調味料を全て混ぜておく。

~作り方~

こちらのフォアグラは400gほどです。冷凍庫からだし、触ってみて指で押せるぐらいまで解凍します。硬いままで作業するとボロボロになってしまいます。また、解凍しすぎても作業しにくいです。粘土のような硬さぐらいがベスト。画像のようにいくつか筋が入っています。ここにナイフを入れながらやさしく開いていきます。

開いていくと、大きな血管が3~4本通っています。これを取り除きます。これをしっかり取らないと、テリーヌにしたときに口当たりが悪くなり、また味も悪くなります。

画像のように大きな血管があります。ゆっくりと身を開きながら取り除きます。結構長く、途中身に入り込んで取りにくい箇所もありますが、確認しながら取り除きます。

血管を取り除いたら、パッドなどに広げ調味料を満遍なくかけます。膜のようなものがついていますが、これを外すか外さないかはお好みで。解凍状態によっては剥がしにくいのでそのままでも。あふれ出ている部分がありますが、時間が経つにつれて、染み込んでいきます。調味料のお酒の分量は全部同じ比率になっていますが、例えばお好みでマデラ酒を増やす、などオリジナリティを出すことも可。総量を増やしても染み込まないので、1kgあたり10cc以内に。

表面が乾かないようにラップで覆い、2晩寝かせます。

2晩寝かせたら、型に入れます。私はテリーヌ型を持っていないので、小さめのパウンド型を使っています。細かく崩れた部分を下にひき、大きな塊を綺麗な面が上にくるように載せます。

※パウンド型を使うと、カットするときに傷がつくので、やはりテリーヌ型のような陶器製のものがよいと思います。

アルミホイルをかぶせて、パッドに80度のお湯を入れ、オーブンで火を通していきます。

100度のオーブンで25分~40分ほど。大きさによって時間が変わります。加熱がとても大事なので、注意してください。この大きさだと25分でした。

オーブンから取り出したら、必ず中心温度を確認してください。このとき45度程度を目安にします。一度20分で取り出し、はかったときは40度しかなかったので、追加で5分加熱しました。

加熱が終わったら、上に浮いている油を別の容器に取り除きます。この時、身の部分が流れ出ないように注意。

重石をして、急速に冷やし固めます。フォアグラの重量×30%が重石の目安です。量が少なかったのでしっかり締めたいと少し重めの重りを…と、これにしましたが、重すぎました(´・ω・`)

冷え固まったら、先ほど取り出した油を再度流し、蓋の代わりにします。こうすることで、再度油の香りがうつり、表面の乾燥を防止してくれます。(画像を取り忘れました)この状態で一晩寝かせます。

一晩寝かせて油を取り除いたものです。ナイフを少し温めて切り分けます。40度ぐらいのお湯につけて水分を拭き取ればよく切れます。湯沸し器から出てくるぐらいの温度です。

マデラソースを作ります。

マデラソースは、マデラ酒を煮詰めたものに、グラス・ド・ヴィヤンとハチミツを加え味を調えたものです。

フォアグラの上に、岩塩(今回はフランスカマルグ産フルール・ド・セル)とミニョネット(粗挽きコショウ)を載せ、ブリオッシュとサラダを添えたら出来上がり。重石が重すぎて、薄造りに…。火を入れるときに、テリーヌ型を使わず、筒状にし、サランラップでキャンディのように端を絞って糸で縛り、湯せんで加熱する方法もあります。丸くてきれいな形になります。次回はこのやり方で挑戦したいと思います。

フォアグラには、バゲットではなく、バターをたっぷり使ったブリオッシュがよく合います。甘めの貴腐ワインに合わせるのが王道ですが、シャンパンやスパークリングを合わせる方もいます。

と、書きながら、思い出したことがひとつ。

このお料理、辻調理師専門学校のスクーリングで学んだのですが(学校のレシピはもっと本格的!)、先生が「この料理にはシャトー・ディケムが合う」と連呼してたんですね。そのときはメモとってただけなんですが、後日、ワインにお詳しい方が冗談で「あんなに言うなら飲ませてくれ!飲みたいシャトー・ディケム!」という話をしてたんです。授業なので、お酒を飲めないのはしょうがないのですが、そんなに合うなら飲んでみたい!と検索。そしてびっくり!飲み物に払える値段じゃなかった…。

飲める飲めないは別として、フランス料理というのはお酒、特にワインありきの料理なので、料理と共に、ワインの知識も増えていく&もっと勉強しなきゃなぁ~と日々思っております。

蕪のスープ

辻調理師専門学校 別科 通信教育講座

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