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かんだファーム

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この記事を書いている今日、外はもう真っ白。ふと窓の外を見て、夏の緑を懐かしく思い出しています。

私が かんだファーム さんにお世話になることになったのは、ある一通のライン。ナイトランのグループラインに「どなたか収穫の手伝いこれませんか?」と。ちょうど旭川でのとある運営も一段落し、食材の運搬が厳しい時期で料理教室もやりにくかったので、勇気を出して、「私行きます!」と。その後、お声をかけてくださった遠藤さん、そして、かんだファームの社長神田さん、野菜ソムリエ上級pro吉川さんからご連絡をいただき、かんだファームで働くことになりました。

いざ、農場へ

とはいったものの、初めての農作業。面接に行くときはとても緊張しました。ベテランのご婦人方の足引っ張ったらどうしよう、とかすごい怖い人いたらどうしよう(←いい歳してw)、とか。でも遠藤さんのつながりで悪い人はいないよな~というポジティブな感情の方が大きくて、まだ見ぬ未知の世界に期待を膨らませていました。


山に囲まれたのどかな田園地帯が広がる東風連。

道に迷いながら…否、道は一本だけど、どれがかんだファームなのかが分からず、ゆるゆると車を走らせていく。望湖台行きの看板が目に入り、ふと視線をずらすとメロンのオブジェにかたどられた「かんだファーム」の看板が見えました。目的地を見つけるのはどんなときでも嬉しい。車を停めて、おそるおそる敷地内に入る。人の気配はない。あれ?時間間違えた?と思いながらメッセージを確認。日付も時間も合っている。しかし、あまりの勝手のわからなさに、どこにいけば人がいるのか、どこまで入っていいのか、全然わからない…。と不安を抱えながら、歩みを進める。すると大きな倉庫の中で作業をする人影が!

「すみません!」

と大きな声で呼びかける。振り返って出迎えてくれたのは親方こと、かんだファームの社長、神田さんでした。

 

親方はとても話しやすくて、不安はすぐに吹き飛びました。勤務について少し話をし、そのまま働くことに。

 

収穫に適したサイズと重さの基準になるピーマンをひとつ貰い、ポケットに。野菜をポケットにいれるなんて普段絶対にしない。宝物のような、童心に返ったようなむず痒い気持ち。そして初めてのハウス内での作業。母屋から少し離れた敷地に車で移動し、いざ収穫!教えてもらったとおりにピーマンを軽く持って引き上げると、気持ちのいいほどポキっと獲れる。パキ、ポキ、パキ、ポキ…ハウスの中は、ピーマンを獲る小気味の良い音が響く。


旬を迎えたピーマン。ハウス内は青々とした夏の香りで充満している。

こうして始まったかんだファームの夏。

一日の仕事

朝8時に出勤し、10時に一服(休憩)、12時に昼休憩。午後1時半ごろからまた収穫をし、3時に一服。5時に退勤。大体午前中に収穫をし、午後はピーマンのヘタを切ります。ほかのパートさんたちは人生の大先輩方ばかりかと思いきや!私と同じ歳の親方の妹さん、年下のとうもろこし農家の奥様。(って、こうかくとすごくよそよそしいんだけど、お互いちゃん付けで呼び合うフレンドリーな仲に)主に3人で作業しました。和気藹々としながら、一日はあっという間に過ぎていく…。ハウスでの作業だけでなく、農業が初めてという私に、みなさん常に気遣ってくださり、水分補給などもこまめに促してくれました。一方納屋では、親方のご両親とそしておじいちゃん、たまに親戚の方などが、ヘタを切り、選定をして出荷作業をしていました。このおじいちゃん、御年100歳を迎えられてもまだ働く意欲満々。一服のとき、おじいちゃんと話す機会が何度かありました。戦後、家族をおなかいっぱいにしたい、という思いで釧路からここ東風連に移り住んできた神田家。農家なら食べ物に困ることはないだろうと稲作を中心に歴史を紡いできました。今の親方は、3代目でピーマンの他に、もち米、そして冬にはちぢみホウレンソウを栽培しています。

 


豊かな実りはこんな下の方にも。

 

 

生で食べても美味しいピーマンは、野菜ソムリエ協会主催のサミットでも高評価を得ている。

 

働く、ということ。

家族をおなかいっぱいに、という思いは、農業の在り方が問われる現代において、親方の勤勉さと時代に沿った柔軟さも加わり名寄近郊の農家と協力しあって新しい未来へと向かっています。そこには、おじいちゃんをはじめ、親方のご両親や、ご家族の確固たる協力があり、一日一日きちんと仕事をすることの大切さを実感させてくれます。私は、こんな環境の中で、日々、素晴らしく丁寧に育て上げられたピーマンと、温かい人たちに囲まれて、毎日幸せを感じながら仕事をしていました。多分、人生で初めて、こんなにも日光を浴びて、汗を流して働いたと思います。ハウスの中や納屋でとりとめのない話をし、たくさん笑って、あ~今日もいい一日だったな、明日も頑張ろう、明日もみんなに会いたいな、そんな思いで日々過ごしていました。毎日の食事が美味しくて、毎日気持ちよく眠りにつく。明日は、もっとピーマンをとろう!と。

料理を仕事にしようと決めたとき、自分の実力のなさに負けそうになり、やりたいことが見えれば見えるほど、足りない技術や知識に気付いてあきらめそうになりました。でも、こうして農家さんたちが、本当に心から愛情を込めて食べ物を作っているところで働いてみて、自分はとても甘えていたとつくづく感じました。雨が降ったり、風が吹いたり、日が照ったり、一日は数分単位で気温が変わります。それに合わせてハウスのビニールを調整し、水の量を変えて、ピーマンの様子を観察する。私たちが、スーパーで一瞬で買う野菜たちはそこに並べられるまでに、こんなにも時間や手間をかけられている。そんな野菜たちを美味しく調理し、そしていろんな人に伝えていけるような料理人になろうと思います。

来年も再来年も、ずっと収穫行けたらいいなぁ~。

キャロットラペ

なよろ星空雪見法蓮草 種まき編

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